1・・・アンモニア・トリメチルアミン・メチルメルカブタン・硫化水素などは勿論の事、タンパク分解臭、その他の複合臭にも良く作用し、拡散悪臭を抑制する。
臭気処理に絶大な力を発揮し、今から13年程前に農畜産事業団・土屋理事のご紹介を得て、畜産業の瞬間消臭剤として数箇所の畜産業者へ納入を開始したのが始まりである。
現在では畜産以外の様々な分野で消臭剤として認知されている。
家庭内の様々な臭気の他に、下水や浄化槽、また喫煙室に置かれる集煙装置のフィルター清掃用と同時に消臭用として用いられている。
なかでも化学工業に関する硫化水素をはじめ、変わったところでは塗料などに含まれるトルエンやキシレンなどの発ガン性ガス分解にも用いられている。
2・・・薬物の吸着分解効果、水分子の結合強化、溶存酸素量の増加などによる汚水・汚泥の高速浄化、及び排水のBOD・CODの降下補助作用がある。
有効な水処理剤としての用途も開発されている。
ゼム酵素は前述の臭気処理の他、後述する微生物の増殖活性化が顕著であるため、水処理に用いる場合には発生臭気処理をほぼ瞬間的に行うと同時に、堆積汚泥などの有機物分解を促進する。
これは酵素の持つ脱作用の他、添加水中での微生物の増殖活性化が顕著となり、それによっての分解処理が促進されるためである。
但し水中へのゼム酵素添加によって、閉鎖系の池沼などでは溶存酸素量が減少する傾向を示す。
そのため現在ではナノマイズポンプと言う3μの気泡発生装置を併用している。
気泡は3μになるとクラスターよりも細かくなるために、水面に浮上せず、徐々に水底へと沈降する。
これまで微細気泡発生装置と言われたポンプが20〜30μであるのに対し、ナノマイズポンプで発生する気泡はその1/10 以下である。
そのため水中の溶存酸素量を劇的に増大させ、好気性微生物の活性を極限まで高めてくれるため、これによって処理された清浄水は農業生産用として活用されれば、作物の根張りなどを劇的に改善してくれる事で収穫量・収穫品の品質向上に大変有用となる。
なおナノマイズポンプ作動時にはオゾンより酸化殺菌力の高いヒドロキシルイオンが発生するため、池沼などでの使用によれば容易にウイルス類の殺菌に効果を発揮する。
最近問題視されているKHV(コイヘルペスウイルス)の酸化殺菌にも高い効果を発揮すると想定される。
当該ポンプは現在小型化に挑戦中であり、これが叶えば家畜飲用に処する貯留タンク内の水の改質にも非常に高い効果を発揮する。
それは殺菌であると同時に、家畜の健康に関係する高い溶存酸素を含有する水としてである
3・・・生理活性化を促進し、肥料成分(ミネラル)にも富み、細胞が充実して健康な植物体(生命体)を作る。
畜糞や生ゴミなどの有機物が急速に堆肥化する理由はここにもある。
ゼム酵素の高い分解力は酵素自体が行うものの他に、このような環境を形成する事で見られる菌群の生理活性化、そしてそれに伴う爆発的な増殖力の獲得である。
有機物の堆肥化は菌群による分解の促進に伴うものであるが、通常菌の働きは分解対象物を見つけ出して自らが体内に保有する酵素を分泌して行われる。
分泌される酵素によって対象物を吸収しやすいエネルギー源に変えて摂取吸収する訳である。
言うなれば食材を料理してから食べると言う概念に当てはまる。
ゼム酵素の混合によって、この「菌が料理してから食べる」と言う活動は省略されるようになる。
つまり菌群がそれらの行動を起こす前に、併用混合されたゼム酵素が脱作用を用いて対象物の分子結合を切断し摂取しやすい形態に変えているからである。
つまりゼム酵素が菌にとってのお抱えの料理人であると言う発想である。
菌群がこのようにして摂取したエネルギーは、生命活動を継続するために用いられるが、その生命活動の最たるものが増殖である。
ゼム酵素によってエネルギー源に変えられた有機物は、菌群を容易に本来の増殖へと導いてくれる。
それがゼム酵素の環境下で容易に菌群の大増殖が行われ、食い尽くされる有機物量が一気に増大して急速な堆肥化が見られる所以である。
ちなみに優良堆肥製造に対して様々な生菌剤が用いられてきたが、それらがなかなか効果を発揮しないのは、菌の世界には明確な法則が存在するためである。
ホーム&アウェイが明確に成り立つのである。
EM菌やアガリエ菌などの有名ブランドが存在するが、沖縄で発見された菌群が北海道では活性しようがないのは明白である。
そればかりか、畜産を行う環境下にはそこ独自の微生物層がある。
そのため今まで巧く行っていた牧場が、何かの理由で500m移動せざるを得なくなった場合、移動後には以前のような良好な菌群環境を整える事がなかなか出来ないケースが多いのである。
確かにホーム&アウェイは適地の気候条件が第一のファクターであるが、我々には想像もし得ないようなカオス的条件もまた、菌群活性には必要なようである。
酵素は生物ではなく菌群活性の触媒物質である。
タンパク質中心の酵素ならばこそ、使用された場所でそこのチャンピオンとして君臨する菌群をより活性化する働きに寄与する。
ゆえに北海道から沖縄まで、どこで酵素を用いても同じ結果を導く事となる。
菌群の限界を凌駕するものが酵素である。
4・・・有用微生物群を活性化し、カビ・ダニ等病害菌に対しては抑止・対抗する作用がある。
先述したように菌の世界では明確に有用菌と病害菌が分けられ、有用菌活性の場にあっては病害菌は抑制される。
そこでチャンピオンとなる菌群が以前にも増して活性を獲得する頃、その場に存在する病害菌はその活動を抑制されているために、その勢力において明らかに劣勢となる。
その段階ではチャンピオンとなった有用菌増殖のための餌になるしか道が無くなるのであるから、病害菌は消滅せざるを得ないのである。
またそのようにして作り上げられた微生物環境下には、その後に病害菌の浸食は起こり得ない。
常にそこには強力な天敵微生物群が存在するが故である。
5・・・汚物排水管、浴槽等のこびりついた水アカを分解する作用がある。
これはゼム酵素の持つ豊富な脱作用によるものである。
酵素は基本的に分解剤である。
ゼムは脱作用に優れた酵素であり、水素結合や塩素結合を切断する働きに優れている。
土中に合って肥料成分等のイオン化を促進する作用もまた、ゼム酵素の持つ豊富な脱作用によるところが大きい。
但し、通常の堆肥製造過程では菌群によってこれらが為される。
それは各々の微生物がその体内にそれぞれ独自の酵素を保持しているからに他ならない。
つまり水処理にしても堆肥化処理にしても、微生物が行うとされるそれらの効能は、実際には微生物群が持つ酵素によって為されるのである。
微生物処理=酵素処理である。
ゼム酵素はそれ自体の豊富な脱作用の他に、言い換えればそれら脱作用ゆえに、その場の有用な微生物群を増殖活性化させる能力に優れている。
固着してしまったスケールなども、実際にはその場におけるあまり有用とは呼べない菌群(病害要素を持つ菌群)の関与が見られる事も多々あり、ゼム酵素は様々な脱作用と同時に、それらスケールに関与した菌群抑制を同時に成し遂げるため、非常に効率的にスケール除去を行い、その後スケールの原因となった無機イオンが多量に存在したとしても、それらをスケールとして最固着させる事が無くなるのである。
6・・・トリクロロエチレン・トリハロメタン、果てはダイオキシンに至るまで難分解物質とされるVOC(揮発性有機塩素系化合物)を効率的に分解する。
脱水素作用と脱塩素作用に特に優れた酵素がゼム酵素である。
実際これまでの酵素は、製薬会社のラボなどで新たな物質を作り上げようとする過程で、目的外不要分子結合の切断用として用いられてきた。
基本的な酵素そのものの概念が微生物に由来してきた事もあり(微生物由来酵素は、微生物の働きを見ればその効果が容易に把握できる事もあって多用されてきた)酵素=微生物の概念が未だに主流である。
目に見えないほど微小な微生物が、更にその体内に保有する酵素を抽出しようとするには爆発的な微生物増殖が必要であり、それを以ってしたとしても抽出できる酵素量はわずかなものである。
それゆえにこれまでの酵素剤は小瓶1本(100〜200CCあたり)数千円から数万円のコストを要するのである。
つまり製薬会社などで使用する以外、それほど高コストの材料は使用できずに来た事も事実である。
本論に戻るが、このように酵素は分解剤として用いられるものである。
VOCは主に揮発性の有機化合物であり、多くは有機塩素系化合物である。
そこでゼム酵素の脱塩素作用が効果を発揮するのである。
VOCは基本としてベンゼン環を持ち、そこに塩素などが結合した化合物である。
当然この塩素結合が切れればその物質そのものが成り立たなくなるので、これを以って分解と言う。
このVOC分解を立証したのはトルエン・キシレンなどの発ガン性を持つ有毒ガスの分解である。
トルエン・キシレンは塗装臭そのものであり、塗装ブースから排出される臭気分解の要請に対して、臭気ガス分解状況を確認するためVOCモニターを使用した。
その際、ゼム酵素液を添着させたセラミックスフィルターを、塗装臭を大量に含むガスを通過させ、通過前と通過後の排気中のVOCを計測したところ90%以上のVOC消滅が確認された。
酵素であるから瞬間的な接触によってガス分解が成り立つのである。
これはゼム酵素液による噴霧剤によって、様々な臭気を分解除去する機能そのものである。
このようにVOCを有効に分解するゼム酵素であるが、この効能は意外な面で機能している。
連作障害の解除である。
同じ種類の作物を連作する事で生育が悪くなったり、あるいは栽培そのものが出来なくなる障害が起こる事は広く知られている。
これが連作障害であるが、連作障害に様々な形態がある中でかなり多いのがこのVOCの生成である。
同じ作物を連作する事で土壌中の微生物活動には変化が見られなくなってしまう。
そこでは支配的な微生物が安定してしまい、そこへ加えられる肥料なども一定化しているために、菌群が分泌する酵素や、それらによって分解され残存する物質も一定となる。
残渣はそこに住む微生物には分解不能なもの(分泌酵素が単一にのため)が残されるため、それらが蓄積され酸化されることで一種のVOCが生成すると考えられる。
それが土壌の抜本的問題に起因するものでない事がわかるのは、これはあくまでも同一の作物の連作によるもので、作物を換えれば支配的微生物層が変化するため、連作障害の問題は解除できるのであろう。